てんかんになりやすい人の特徴は?原因・症状・発作時の対応を専門医が解説
てんかんになりやすい人の特徴は?原因・症状・発作時の対応を専門医が解説

「突然意識を失った」「手足がピクッと動く」「会話中に反応がなくなる」——このような症状がある場合、てんかんが関係している可能性があります。
てんかんは子どもだけでなく、大人になってから発症することもある脳の病気です。しかし、けいれんが起きるとは限らず、本人や周囲の人が発作に気づいていないケースもあります。
この記事では、てんかんになりやすい人の特徴や発症の原因、見逃しやすい症状、発作が起きた際の対応、検査・治療について解説します。
てんかんになりやすい人に特徴はある?
てんかんは、年齢や性別にかかわらず、誰にでも発症する可能性がある病気です。 特定の性格や生活習慣だけで、てんかんになりやすいかどうかを判断することはできません。
てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮することで、発作を繰り返す病気です。発症には遺伝的な要因や、脳の構造的な変化、過去の脳の病気や外傷など、さまざまな要因が関係します。
ただし、原因が特定できない場合もあります。また、てんかんがあるからといって、必ず親から子へ遺伝するわけではありません。
てんかんの発症に関係する主な要因
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遺伝的な要因: 特定の遺伝子の変化などが発症に関係することがあります。
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脳の構造的な異常: 生まれつきの脳の形成異常などが関係する場合があります。
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脳の病気や損傷: 脳卒中、脳炎、頭部外傷などが原因となることがあります。
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原因が特定できない場合: 検査を行っても、明確な原因がわからないことがあります。
これらの要因があるからといって、必ずてんかんを発症するわけではありません。反対に、特別な既往歴がなくても発症することがあります。
てんかんは何歳で発症する?子どもと大人で症状は違う?
てんかんは、乳幼児期から高齢期まで、幅広い年齢で発症する可能性があります。症状は発作の種類や、脳のどの部分が関係しているかによって異なります。
子どもに見られるてんかんの症状
子どもの場合、全身のけいれんだけでなく、身体の一部が一瞬ピクッと動く、短時間ぼんやりして反応がなくなる、といった症状が見られることがあります。
一見すると、集中していない、眠そうにしているなど、日常的な様子と区別しにくい場合もあります。普段と異なる動作を繰り返す場合は、発生した状況や頻度を記録し、医療機関に相談することが大切です。
大人・高齢者に見られるてんかんの症状
成人や高齢者では、突然意識を失う発作のほか、会話中に反応がなくなる、口をもぐもぐ動かす、手を繰り返し動かす、発作中の記憶が抜けるといった症状が見られることがあります。
高齢になってから初めて発症する場合には、脳卒中などの脳の病気が背景にあることもあります。突然の意識障害や、これまでにない異常な動作が見られた場合は、原因を調べることが重要です。
てんかんの前兆とは?見逃しやすい症状に注意
てんかん発作には、始まる前に何らかの違和感を自覚する場合があります。ただし、すべての発作に前兆があるわけではありません。
また、医学的には、本人が感じる発作の始まりの症状を「前兆」と呼ぶことがあります。前兆そのものが、すでに発作の一部である場合もあります。
てんかんで見られることがある症状
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突然、手や腕など身体の一部がピクッと動く
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一時的に意識が途切れる、反応がなくなる
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見慣れた景色や状況に違和感を覚える
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理由のわからない感覚やにおいを感じる
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口を動かす、手をもぞもぞ動かすなどの動作を繰り返す
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発作後に強い眠気や混乱が生じる
これらの症状があっても、必ずしもてんかんとは限りません。失神や睡眠に関連する症状など、別の原因でも似た症状が現れることがあります。
症状だけで自己判断せず、繰り返す場合や意識を失う場合は医療機関に相談しましょう。
てんかんの発作が起きたらどうする?正しい対応方法
身近な人がてんかん発作を起こした場合は、慌てずに安全を確保することが大切です。
発作が起きたときに行うこと
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周囲の安全を確保する: 火、刃物、家具の角、階段など、けがにつながるものから遠ざけます。
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発作の開始時刻を確認する: 発作がどのくらい続いているかを把握します。
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無理に身体を押さえつけない: けいれんを無理に止めようとせず、自然におさまるのを見守ります。
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口の中に物を入れない: 舌をかませないようにと、指やタオルなどを口に入れることは避けてください。
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発作後の呼吸や意識を確認する: けいれんがおさまったら、呼吸を確認し、可能であれば横向きにして回復を見守ります。
救急車を呼ぶべき状況は?
けいれんが5分以上続く場合、発作を繰り返して意識が回復しない場合、呼吸に異常がある場合、発作による大きなけががある場合などは、救急車を呼んでください。
初めてのけいれん発作や、いつもと明らかに異なる発作の場合も、速やかに救急医療につなげることが重要です。
発作の様子を安全に記録できる場合は、動画や発作の持続時間、発作前後の様子が診断の参考になることがあります。ただし、撮影よりも安全確保と必要な救急対応を優先してください。
てんかんはどのように検査・診断する?
てんかんの診断では、発作時の症状や経過を詳しく確認することが重要です。本人が発作の様子を覚えていないこともあるため、ご家族など周囲の人からの情報も参考になります。
主な検査には、次のようなものがあります。
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問診: 発作の様子、持続時間、頻度、発症時の状況、既往歴などを確認します。
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脳波検査: 脳の電気的な活動を記録し、てんかんに関連する異常がないかを調べます。
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MRIなどの画像検査: 脳の構造的な異常や、発作の原因となる病変がないかを確認します。
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血液検査など: 症状に応じて、代謝異常など別の原因を調べます。
一度の脳波検査で異常が見つからなくても、てんかんを完全に否定できるとは限りません。症状や経過を踏まえ、必要に応じて追加検査を検討します。
てんかんは治療できる?薬や手術による治療について
てんかんの治療では、発作の種類や原因、年齢、生活状況などを考慮し、一人ひとりに適した治療方針を検討します。
薬による治療
てんかん治療の中心となるのは、抗てんかん発作薬による薬物療法です。発作の種類に合った薬を選択し、発作を抑えることを目指します。
薬の種類や量は、発作の状況や副作用などを踏まえて調整します。発作が起きなくなった場合でも、自己判断で服薬を中止したり、量を変更したりしないでください。
薬で発作を十分に抑えられない場合
適切な薬物治療を行っても発作が十分に抑えられない場合には、てんかん専門医による詳しい評価が重要です。
患者さんの状態によっては、てんかん外科手術や迷走神経刺激療法など、薬以外の治療が選択肢となることもあります。すべての患者さんが対象となるわけではないため、専門的な検査を踏まえて判断します。
てんかんは、適切な診断と治療によって発作をコントロールできる可能性がある病気です。治療を続けながら、学校や仕事、日常生活を送ることを目指します。
てんかんが疑われる場合は何科を受診すればよい?
意識を失う、身体の一部が繰り返しピクつく、突然反応がなくなるなど、てんかんが疑われる症状がある場合は、脳神経内科やてんかん外来など、てんかんの診療に対応する医療機関へ相談しましょう。脳神経外科でも、施設の診療体制に応じて診断や治療の相談が可能です。
受診時には、次の情報を整理しておくと診断の参考になります。
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いつ、どのような状況で症状が起きたか
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症状がどのくらい続いたか
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意識や呼吸に変化があったか
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発作の前後にどのような様子だったか
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服用中の薬や、これまでにかかった病気
症状が初めて現れた場合や、突然の意識障害がある場合は、緊急性の高い病気との区別も必要です。症状に応じて、救急医療を優先してください。
まとめ|てんかんは年齢を問わず発症する可能性がある病気
てんかんは、子どもから高齢者まで幅広い年齢で発症する可能性があり、必ずしも全身のけいれんを伴うわけではありません。短時間反応がなくなる、身体の一部がピクッと動くなど、気づきにくい症状が見られることもあります。
てんかんになりやすいかどうかを、性格や生活習慣だけで判断することはできません。気になる症状がある場合は、自己判断せず、医療機関で原因を調べることが大切です。
スガノ脳神経外科クリニックでは、てんかんを含む脳神経疾患の診療に対応しています。てんかんが疑われる症状や、診断・治療について気になることがある方は、当院へご相談ください。
Q. てんかんになりやすい人にはどんな特徴がありますか?
てんかんは年齢や性別にかかわらず発症する可能性があります。遺伝的な要因や脳の病気などが関係する場合がありますが、特定の性格や生活習慣だけで発症リスクを判断することはできません。
Q. てんかんは大人になってから発症することもありますか?
はい。てんかんは成人や高齢者になってから初めて発症することもあります。脳卒中などの脳の病気が背景にある場合もあるため、初めての発作や意識障害は医療機関での評価が必要です。
Q. けいれんがなくても、てんかんの可能性はありますか?
あります。短時間反応がなくなる、口や手を繰り返し動かす、身体の一部が一瞬ピクッと動くなど、全身のけいれんを伴わない発作もあります。ただし、似た症状を起こす別の病気もあるため、症状だけで判断することはできません。
Q. てんかんの発作が起きたら、救急車を呼ぶべきですか?
けいれんが5分以上続く、発作を繰り返して意識が回復しない、呼吸に異常がある、重大なけががある場合は救急車を呼んでください。初めての発作や普段と異なる発作も、速やかな医療評価が重要です。
Q. てんかんは治療で発作を抑えられますか?
抗てんかん発作薬などによって発作をコントロールできる場合があります。薬で十分に抑えられない場合には、専門的な評価のうえで手術などを検討することもあります。治療方法は発作の種類や患者さんの状態によって異なります。
監修医師について
菅野 秀宣(スガノ脳神経外科クリニック 院長)
順天堂大学医学部卒業。順天堂大学医学部脳神経外科准教授、順天堂大学医学部附属順天堂医院てんかんセンター長などを歴任。日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本てんかん学会てんかん専門医・指導医、日本臨床神経生理学会脳波専門医。





