頭痛

頭痛に悩まされている方は多く、頭痛のために学校や仕事を休まなくてはいけないことは社会的にも問題です。痛み止めを服用せざるを得ませんが、その事が頭痛をさらに悪化させてしまう事もあります。また、脳腫瘍の初発症状であることもあります。

頭痛の種類

a.
偏頭痛
古典的偏頭痛はギザギザした光が見える閃輝性暗点から始まり、その後に嘔気を伴った拍動性頭痛が起こってくるものです。しかし、この様な典型的な症状を示さない方もたくさんいます。多くは女性で、運動や強い光、音などで誘発される事もあります。頭痛は数時間から長い場合は数日続き、生活にかなりの支障をきたします。痛み止めは偏頭痛用のものが必要ですし、頻回な時には予防する薬の使用も考慮されます。
b.
緊張型頭痛
後頭部を中心に締めつけられるような痛みです。肩こりなどの筋緊張や精神的な緊張でも起こります。運動を生活に取り入れる等が重要ですが、改善がみられない時には薬物療法を併用します。
c.
群発頭痛
20~40代の男性に多くみられるもので、毎日のように決まった時間に激しい痛みが起こります。目の充血や涙、鼻水、鼻づまりを伴うのも特徴です。適切な診断と薬物療法が必要になります。
d.
二次性頭痛
脳腫瘍や脳出血などによって起こる頭痛です。しっかりと原因を見つける事が重要です。MRI検査が有用です。

コラム4:医師に二言はある

あの医者は”以前と違うことを言う”という事を耳にする事があります。これは医療にはあり得る事なのです。なぜなら、医療は日々進化を遂げているからです。私が脳外科医になった30年前、偏頭痛は稀な頭痛という事が教科書に書かれていました。しかしながら、医学の進歩により偏頭痛のメカニズムが分かってきて、患者さんが多い事が分かり、有効な薬が開発されるに至りました。それにより頭痛から解放されてくる患者さんが増えています。二言がある医者は常に勉強をしている医者ということになるのかもしれません。