ヒトの寿命が長くなる事は良い事だと思いますが、それに伴い認知症をもつ方が多くなってくると言われています。「物忘れ」は誰でも歳を取るとみられる現象です。認知症とはどこが異なるのでしょうか?認知症は、物忘れのみでなく、物事の決定が出来なくなったり、性格が変わってきたりすることで今までの生活に支障をきたしてしまう状態です。軽度認知障害の場合、放置していると、年間で約2割の方が認知症に進行すると考えられています。逆に軽度認知障害の段階で適切な治療を行うと、年間2割〜4割の方が正常な状態に戻るとされています。認知症の疑いがあれば、早期に対応することが重要なのです。
運動は認知症を予防するという研究報告が沢山あります。でも、ものすごい筋肉トレーニングをしたり、東京マラソンを目標にする必要はないようです。認知症に効果があるとされるのは有酸素運動です。一方、過度に心拍数を上げると心臓への負荷が強くなり、寿命が短くなるという報告もあります。では、どのような運動をすればいいのでしょう?中年から高齢者の方が対象になるでしょうから、少し息がハアハアする運動ということだと思います。天気のいい日に30分くらいやや早足で散歩をする、呼吸法を意識してヨガをするといったところでしょうか。自然に体幹や脚の筋力もついて転倒防止などにもいいと思います。