くも膜下出血の主な原因は脳の血管にできた”こぶ(動脈瘤)”で、それが破裂して起こります。現在でも高い死亡率で、高度の後遺障害を残すこともあります。

急性期くも膜下出血の診断と治療

突然おこる激しい頭痛と意識障害が特徴です。”ハンマーで叩かれた様な痛み” ”頭の中で花火が爆発した様な痛み” などと表現されることもあります。救急病院での治療が必要です。CTや脳血管撮影で診断をし、再破裂を予防するために緊急手術を要します。
手術は、カテーテルで動脈瘤内にコイルを入れ込むコイリングという方法と開頭手術で動脈瘤にクリップをするクリッピングという方法が主なものです。手術後にも集中管理が必要になります。
慢性期には内服治療の継続やリハビリテーションが必要なことが多いです。
東京都では急性期治療から慢性期治療に至るまでのネットワークが確立されており、速やかに治療が進むと思われます。

未病や脳動脈瘤の早期治療

くも膜下出血の原因である動脈瘤の発生予防には血圧の管理、禁煙などがありますが、家系などの要素もあり必ずしも全てを防げる訳ではありません。そのため、脳ドックなどにより早期発見が重要になります。くも膜下出血は中年期以降の発症が多いですが、動脈瘤に関してはもう少し若い年齢より起きている可能性もあります。未破裂脳動脈瘤の治療の選択肢もコイリングとクリッピングが主なものですが、場所や大きさ、形状により専門医が判断をします。

コラム3:若い人の脳出血やくも膜下出血

脳出血やくも膜下出血の発症は中年期以降が多いですが、稀に若い方にも起きることがあります。その際には脳動静脈奇形であったり、もやもや病があったりと原疾患が異なります。仕事盛りや子育て層での出血は大きな悲劇を生んでしまいます。特に女性では妊娠・出産時に出血リスクが高くなります。若い方にも脳ドックをおすすめする理由です。